元来、私は自尊心の塊のような人間なのです。失敗の経験がないとさえ思っていました。しかし、日に日に不安定に傾いてゆく精神を私は抑えることができませんでした。単純に考えることができれば、何も苦労はしないのですが、捻れ絡んだ糸に満たされた私の心は杞憂つまりは取り越し苦労といった長い目で見た希望を抱くことさえ憚るのです。内申点が足りないと記しましたが、普段から青白い顔で、向上心の欠片も見られない態度で授業に臨んでいるだけであり、決して
学力的に問題はないと自負しています。定期試験、学力調査ともに到達点をゆうに越しています。
模試に関しても、心の欲する成果を上げられないだけであり、正常な精神状態であれば満足のいく結果だとは思います。ただ、心のどこかで快哉の侵入を避ける分子が働きかかっているのか、上に記したように、時折、自害を試みようと思い立つことがあるのです。ですが、できる限り受験生として生きることは続けるつもりです。あなたの言う通り、無心が最善であるのかもしれませんね。卒業生のあなたが言うのですから違いはありません。参考とさせていただきます。時間を割いてまでご返信して頂き、有難う御座いました。
もはや私はこれまでです。涅槃の境地に達することを掲げ、煩悩を捨てて生活しましたが、とうとう私は骨の髄まで腐食してしまったに違いあるまい。今はこうして冷静に電子機器を操作して、文を綴ることができていますが、いつまた唾棄すべき行為の代償がこの身に降りかかるのか予測もつきません。思えば、私の煩悩は取り払われていなかったのかもしれません。あれから毎晩、魘されてばかり。脳が洗浄され、精神世界との交信に成功したあの日。もしもあの日、鮮やかな紙切れに手を伸ばしてさえいなければ、私は正常な人間のままでいられたのかもしれません。しかし、私は既に罪を犯し、汚れてしまった身であります。弁解の余地もございません。人間社会から外れてしまったのです。もう後戻りなどできない、友人の顔でさえ憎らしい、自分以外は全て敵だ。戦時中に生まれたならば、祖国防衛という大義のために華々しく散れたのにと常に思うようになりました。私はどうすべきなのでしょうか。