現3年生です。質問者さんは「読む能力」を伸ばしたいということで、一般に『解法のテクニック』と呼ばれていることをここに幾つか紹介したいと思います。基本的に読み解く方法は高校入試も大学入試も大差ありません。
1傍線部があったら、その前後を確認
国語のどんな文章も論理や物語の『流れ』に沿って書かれています。故に、傍線部に最も関連した内容が書かれているのはその前後なのです。特に、前後の接続語や指示語に注意してください。大抵の設問は「どのようなことか説明しなさい」或いは「理由を説明しなさい」となっているはずですので、それぞれ「つまり」「なぜなら」等々の接続語を見つければ近くに答えがあるはずです。また、指示語「これ」「それ」は既に述べた語を言い換える言葉ですから、傍線部に指示語があればその前を参照し、逆に傍線部の後ろに指示語があればそれは傍線部を受けた内容かもしれないのでそこを参照します。
2指定語句はすべて丸で囲む
1で根拠は前後に書かれていると言いましたが、少し離れたところに解答の根拠があることもしばしばです。そんなとき高校入試の場合は丁寧にも「『○○』『△△』の語句を用いて書くこと」と誘導をしてくれます。指定された語句やその類語を丸で囲んでみると、丸の多く集まる場所が出てきます。多くの場合そこが解答の根拠です。
3(論説)「筆者の主張」以外はざっと読む
論説文は長いので、ぼーっと読んでいると何を言っているのか判らなくなってしまいます。「筆者の主張」以外はさらっと読み飛ばす気持ちで読んでください。
そもそも論説文というのは筆者の考えを述べたものであるので、筆者はあれこれ言って自分の主張を正当化します。時にそれは具体例であり、時にそれは引用です。また、全く逆の内容を引き合いに出して「対比」することによって自身の論理を説明することもあります。これらによって文章量は膨らんでいますが、基本的に論説分は一つの主張の繰り返しです。「あ、ここは引用だな」「ここは例だな」と、部分ごとの役割を認識したうえで主張を追うことを意識すれば読解がずっと楽になるはずです。
4(小説)心情を表すセリフや情景をチェック
小説の設問は大抵登場人物の心情を問うものがほとんどです。ここで、1で説明したように心情も物語の『流れ』に沿っていますから、傍線部の心情はその前後に根拠があります。ただ、作者は「嬉しいと思った」「悲しかった」などと登場人物の心情を直接的に表す稚拙な表現は使いません。登場人物のセリフや動作、天気などの情景から心情を読み取って下さい。
長くなりましたが、最後に某大手予備校の先生の言葉を引用して終わります。残り3か月頑張って、ぜひ合格を勝ち取ってください。応援しています。
「どんな入試問題にも、本文の前に次のような文章がありますが、気が付きましたか?
【次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。】
…これが少なくとも
国語においては、たった一つのルールなのです。…つまり、
国語とは本文に書いてあるかどうか、あるいは本文にどう書いてあるかを答える科目なのです。…本文中にないものは、すべて無効です。ですから、君たちも勝手な主観や常識を入れないで、本文中に書いてあるかどうかだけ探していけばいいわけです。」
非常にわかりやすくありがとうございます。今までは自分の主観とか常識や既成概念が入ってしまっていた部分があったと最後の言葉をみながら思いました。残り3ヶ月自分に出来ることを精一杯やり尽くし合格したいと思います。しかし、入試はあくまでも通過点であることを忘れないようにしたいと思います。最後に、本当にありがとうございました。