ICUHSは、純ジャパ生にとってはかなり特殊な学校なので、その特色をよく理解してから入学を決めるのがよいと思います。
まず、日本の一般的な高校と異なり、かなり個人主義で、余り学校行事などが盛んではなく、日本的な「友情」や「仲間との絆」で青春を楽しみたいという子には物足りないかもしれません。逆に、そういうのが苦手な子には、とても居心地が良いでしょう。日本的な同調圧力はほとんどありません。
英語を真剣に勉強したい子には良い選択肢になり得ます。ただ帰国子女の圧倒的な
英語力には絶対に勝てませんので、いくら日本の中学でトップでも、ICUHSでは中の下くらいになってしまうことをどう考えるか、本人のプライドとの折り合いをどうつけるか、という問題はあるかと思います。ちなみに純ジャパの生徒のトップは、だいたい毎年数人いるらしい、御三家中高一貫校で高校からICUHSに来た、という生徒さんだと言われています。彼らはとんでもなく優秀です。
帰国生でも、
英語だけでなく
数学も飛び抜けてできる子がいます。この2年ほど数オリの本戦出場組がいて、どちらも
帰国生らしいです。
通常高校は、入学試験の結果、大体学力が似た子が集まりますが、ICUHSは非常に幅があります。どういうレベルでもそれなりに対応してもらえるメリットはありますが、すべてのレベルに手厚くは出来ないので、受験指導もしかりです。国立医学部・理系志望の場合は、自助努力(塾通いか独学)が必要になります。早慶などの私立文系であれば、
英語が帰国子女並みにできれば、普通にやっていれば問題ないでしょう。
こちらの高校を20年ほど前に卒業した卒業生です。偶然かもしれませんが、私のICUHS同期の女の子の友達には、医者になった子が多数います。最短距離で医大に現役合格した子もいますが、一度一般大に入ったり、他の職業に就いた後に、医者を志し、医大に入り直した人も何人かいます。
将来の夢に対して、最短距離コースに限らず、あらゆる迷走をして足掻きながらも、自分自身で道を切り開く、そんな強さのようなものが、多様な価値観の中で揉まれていくうちに身についていく学校だなと思います。これは大学受験に限らず、一生の武器となると思います。
学校ホームページの「卒業生のメッセージ」に、様々なジャンルで活躍している卒業生たちが、どのような経緯でICU高校を選び、その後の人生を歩んだかなどが詳しく書かれていますので、是非ご覧になってみて下さい。
https://icu-h.ed.jp/graduates_voice/index.html
追伸失礼いたします。先程の者です。
前の方が行事について書かれていらっしゃいましたが、盛り上がりはその学年やクラスにも寄るのかもしれません。少なくとも私のいた学年では、行事は文化祭、体育祭とも非常に盛り上がり、今でも人生の一番の思い出の一つです。ただ確かに同調圧力はないので、嫌がる子も無理やり朝練!みたいなことはないです(笑) ですが、自然とクラス全体が一つとなって盛り上がっていました。
実際の日常について、ホームページと同じかどうかという点ですが、「控えめに言ってもも」同じで、実際はもっともっとエグいほどの(笑)カルチャーショックや刺激的な体験が待っています。私自身その後留学も体験していますが、留学時より、ICUHSに入った時のカルチャーショックの方が大きかったほどです。一般生として入学する子たちは、概して一般中学では
英語トップクラスだった子たちですが、ICUHSではほぼ皆一番下のクラスに振り分けられるため自信はぺしゃんこになり、
英語混じりで言いたいことをズバズバ言える
帰国生たちを前に、怖気付いてしまう場合も多く、気の弱い子は、確かに最初溶け込むことに躊躇があるかもしれません。
私自身、入学式のバスの中で後ろに座っていた
帰国生の子が、早口の
英語でアメリカ人のような気の強さでまくしたててるのを聞いて「絶対この子とだけは友達になれなさそう。。。」と思いましたが、面白いもので、1ヶ月もたたないうちにその子と仲良くなり、今でも親友です。
アメリカやヨーロッパだけでなく、アジア、アフリカ、南米など本当に世界中から集まってきます。「外国」とは欧米だけではないということを、身をもって体験することができます。今まで自分がいかに狭い価値観、世界で生きていたのかも痛感して、ガラガラと音をたてて自分の周りの世界の見え方が変わっていきます。これは一生ものの体験でした。
また、一般生は
数学ができるけど
英語が苦手、
帰国生は
数学ができるけど
英語が得意、のように、皆得意分野がおのずとそれぞれ異なってくるので、「誰が優等生」とか「誰が1軍、2軍、」みたいなスクールカーストもなく、一人一人がお互いを尊重し尊敬しあう雰囲気が自然と出来上がっていました。
ひとつ難点を挙げるとしたら、上の方も書かれていた通り、授業や勉強の方法は、いわゆる進学校とは全く異なります。とってもユニークな授業が沢山あり、私は大好きでしたが、受験のための勉強からはかけ離れています。受験のための勉強は皆別途塾に通っている形です。なので、なんとしても東大や医大に現役合格をしたいという場合には、最短距離ではないことは確かだと思います。
ただ、このアフターコロナの時代、自分自身で新しい価値観を作り出し、切り拓いていくことが、今まで以上に必要になってくる時代、既存の最短成功進学コースが正解かどうかは、どんどん分からなくなっていると思います。そんな中、自分で道を切り開く強さを身につける学校としては、これ以上ないくらいの環境なのではないかなと個人的には思っています。
まるで学校の回し者のような強いおすすめで申し訳ありません(笑) 少しでも参考になれば幸いです。