結論としては、スポーツ推薦入学者に求められる競技実績の基準は高いということ。例えば早稲田の場合にはインターハイなどの全国大会での入賞以上が基準になっているはずです。しかしながら大学スポーツに後発で参入した新興大学の場合には、スポーツ推薦の基準はもっと低いため、県大会決勝くらいでも可能性があり得るかもしれません。
一方でスポーツ推薦ではなく指定校推薦の場合には、高校での内申が4.0程度以上あれば、高校内での指定校推薦者選考において運動部での実績があれば有利な立場になるということがあり得ます。
例えば國學院久我山高からスポーツ推薦の基準に達していない選手が、指定校推薦の枠でMARCHの運動部に推薦入学したりしています。これなどは大学側がスポーツ推薦の枠に限りがあるため、指定校推薦の枠でも事実上の選手確保をしている例だと思います。
スポーツ推薦の場合ですが、明治大学は2005年から学業成績は一切不問、選手の競技実績のみで選抜して有力選手のスカウトに力を入れています。明治大の場合には高校の内申は一切不問、競技実績のみの選考です。他のMARCHでは、スポーツ推薦入学者にも高校の成績を求める大学もありますが、高校の内申で3.0以上を選手に求めている大学もあります。
さらに驚きのスポーツ推薦の現実は一部の全国トップクラスの選手には、
授業料免除、寮費負担免除、治療費用大学負担、これに加えて生活費援助、小遣い支給という条件を提示してまでスカウトしている大学がたくさんあるということです。少子化が進んで私立大学は生き残り競争にさらされ、スポーツの強化による知名度、認知度のアップのためになりふり構わずに有力選手のスカウト競争が起きています。特に、正月にテレビ視聴率25パーセントのとれる箱根駅伝人気で駅伝の強化に取り組む大学が多いです。
一方において大学サッカーに関しては宣伝効果がそれほど大きくないため、スカウト競争は駅伝や野球よりはないと思われます。高校の成績がある程度あるならば、運動部の実績を含めて指定校推薦を狙うというのが賢明なスタンスの一つだと思います。
明治大の場合、スポーツ推薦入学者の特待生には学内のスポーツ特待生奨学金制度があり、特に秀でた実績、実力のある選手には大学サイドから経済的援助がなされています。他のMARCHでも、スポーツ奨学金はなくても特に秀でた実績のある選手には
授業料免除がもはや普通となっています。そして卒業生による後援会から援助がなされています。全国トップクラスの選手のスカウトは高2から行われるほどに加熱、まさに一芸に特に秀でた選手はあわよくば推薦入学どころか、
授業料免除プラス小遣いまで支給するから来てほしいというのが大学サイドの本音です。むしろ、何のとりえもない平凡な一般学生はしっかり高い
授業料を払って下さいというのが本音でしょう。
サッカーの強い大学には、おそらくインターハイや全国選手権でベスト8以内の強豪校の試合で活躍した選手、あとは浦和ユースなどのJリーグの下部組織から有望選手ながらトップリーグに上がれなかった選手などが多いのではないかと思います。やはり、ふつうの高校から有力な大学へのスポーツ推薦入学は簡単ではないのでしょう。
しかしながら、自分の実力に自信があればスポーツ推薦入学に挑むことは悪いことではありませんよ。
昨年のロンドン五輪のマラソンに出場した山本亮選手は、兵庫県の公立最難関高校の一つの長田高校からスポーツ推薦でMARCHに入学した選手です。長田高校は兵庫県の難関高校の一つで
偏差値は市立浦和を上回る70、まさに公立の進学校の一つといえます。
偏差値70の公立高校からでも、スポーツ推薦入学して五輪出場も果たした選手として話題になりました。その意味においては、本人のやる気と努力と意欲、さらに闘争心しだいと言えると思います。
あくまで選手自身の決断ですが、高校でサッカーを辞めるのは勿体無いかもしれません。有名私大や筑波大、東京学芸大は、全国のJユースやサッカー強豪高から集まったサッカー推薦の選手層が厚く、一般外部では入部すらままなりません。前回の選手権出場時、2008年県決勝で決勝点を挙げたK君も、進学先の法政大では社会人リーグ所属だった様です。
埼大に入れば、大学でもサッカー部でサッカーが出来ます。埼大にサッカー推薦は無いため、部員は進学校の出身で、もちろん市高OBも多数。近年の埼大は埼玉県大学リーグの1部に定着しており、次は関東2部昇格が目標です。ちなみに2013シーズンは、東京国際大学が埼玉県勢初となる関東1部昇格を決めました。
サッカーも勉強もできる市高サッカー部員なら、目標は埼大合格!、そして埼大サッカー部に入り、地元埼玉県、国立大学から関東リーグ昇格!ではないでしょうか。