高3保護者です。
3の「学校選抜型推薦」というのは、主に私立大学が学部や学科を指定して高校側へ応募を促す、一般に「指定校推薦」と呼ばれているものでしょうか?
(大学によってこの制度の名称が違うことがあるので…)
ご質問は「指定校推薦」について、という前提でお返事します。
指定校推薦は年度によって、推薦枠を用意している大学や学部・学科が異なります。
私も立高レベルの公立校出身ですが、そのころでも指定校推薦ははっきり言って山のように来ていました。
学科試験が嫌な友達が推薦応募のファイルをめくるのに付き合ったことがありましたが、1つの学部または学科単位でA4用紙1枚の表裏に応募要項が書かれていて、ファイルの背の厚さが7〜8センチはあったことに驚いたのを覚えています。
大学により応募基準の評定平均値は違いますが、4.3が最も多かったように記憶しています。
立高の進路部の先生によると、現在も4.3以上が多く、高校側の求めるレベルの高い上位校になるほどこの推薦制度を使う人が少なくなるのが現状だそうです。
うまく表現できないのですが、例えば評定平均値が3.9の立高生と(高校受験時の)
偏差値が10ぐらい下(かな?もっと下?)にある高校の評定平均値4.5の生徒を比べた時、この立高生のほうが学力がある可能性が高い、と言えるでしょう。
(例えば共通テスト用全国
模試の
偏差値が高い、とか)
でも3.9ではこの推薦制度は使えないのです。
上位高になるほど指定校推薦はデメリットの方が目立ちます。
・希望する分野・大学の推薦があるとは限らない。
・(建前はともかく)不合格はあり得ないので必ず指定の学部学科へ進学することになり、他の大学や学部・学科を受験することができない(早くに志望先を決定しなければならず、その後の進路変更ができない)。
・指定校推薦を出す大学・学部・学科は大学の
偏差値ランクが下がるほど増え、立高生の考える志望校には少ない。
・また安易に大学のレベルを下げて進学すると、考えていた大学生活と違い過ぎて不本意な4年間になり得る。
・指定校推薦の応募要件である評定平均値に及ばない生徒でも、同じ大学の一般入試で楽に合格できることが多い。
裏を返すと、「指定校推薦で大勢の生徒を大学へ進ませています、安心してご入学ください」と言ってる高校は、自校の生徒が一般入試では大学へ入学できないことを公言しているのです。
では、大学側のメリットは?というと、本来は優秀な生徒を確実に大学へ入学させるためなのですが…。
こんな話↓を先日初めて聞きました。
大学3年次に進むゼミ(研究室)の選択は成績順で決定されるが、一部の私立大学では一般入試で入学した外部生に学力面で及ばない附属出身者を希望ゼミへ入れやすくするために、さらにその下へ学生を入れようと推薦入試をしているように見受けられる、と。
今や大学ではそのような使われ方になっているのか!と驚きました。
多分、立高でも毎年、指定校推薦の分厚いファイルが作られているのでしょうが、生徒も先生も「山ほどあるけど使えない」と言っているそうで、これは
進学指導重点校共通のようです。
結論として、指定校推薦を使う人はほとんどなく、数人のようです。