https://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/10702郄島崚輔(りょうすけ)さんは今年、全国の市長で歴代最年少となる26歳で、芦屋市長に当選した。高島さんの「今」をつくりあげたのは灘高校(兵庫)で過ごした3年間。時代は東日本大震災直後、
偏差値による評価の中での価値観を揺さぶられる出会いがあったという。
----------
リーダーシップとは何かを学んだ文化祭
文化祭は、灘高校の一大イベント。「毎年2万人くらいのお客様が来ます。生徒会はある種の裏方ではあるけれど、生徒会長は表に出る仕事。どのようにリーダーシップを発揮すればよいかは、実践の中で学んだ印象はありますね」
特に達成感があったのは、意外にも文化祭終了後だという。わずか3時間で原状復帰するのが灘の伝統で、高島さんも総責任者として片付けに携わった。「短時間で片付けを終わらせるため、準備段階から机と椅子の効率的な移動のシミュレーションを重ねるんです。みんなで『お疲れさま』と言い合いながら、やりきりました。やり遂げたという思いと、ちょっとしたさみしさが胸に残る経験でした」
----------
邪魔をする大人がいないのが大事
高校時代を振り返り「先輩の活躍を見て後輩が頑張る。それを邪魔する大人がいないというのが大事だ」と話す。市長就任後には中学生から校則改正について直接相談を受けることもあった。その際も先生との話の進め方などについてアドバイスをするにとどめ、市長として何か対策を約束することはなかった。
「生徒が主体的に動ける環境をわれわれが整えるところに注力するべきだと思うんですよね。高校時代、私が一番感謝しているのは子ども扱いされず、一人の人として、大人として向き合ってもらえたことです。自分がされて嬉しかったことを、今度は私が大切にしたいと思っています」
経験はすべて血肉となっている。市長として子ども向けの施策、教育政策を立案する上でそれらを生かしていきたいと決意している。
↑
いいところあるやん。